公設秘書と私設秘書とは?
最近、豊田真由子議員の秘書暴行が話題になっていますが
今回は公設秘書と私設秘書についてわかりやすく見ていきましょう。
議員秘書の仕事は議員を補佐することですが、
国会議員の秘書には大きく公設秘書と私設秘書があります。
パターンはいろいろありますが
公設秘書が3人、私設秘書が2人、
計5人がスタンダードなスタイルとされています。(当然例外もかなり多い)
●公設秘書(1議員に3人まで)
公設秘書とは、国費(税金)によって国会議員に付される秘書のことです。
つまり、公設秘書の給与は国から支払われ、身分は国家公務員特別職となります。
また公設秘書に議員の配偶者は登録できません。
現在は、一人の議員につき、政策担当秘書、第一秘書、第二秘書、の
3人の公設秘書を雇用することができます。
このうち政策担当秘書が国会議員の政策立案などを補佐する秘書で
さらに全ての秘書や選挙を取り仕切るリーダーです。(当然給料も一番高い)
※公設秘書の給料の参考画像 (全員国家公務員)
○政策担当秘書の仕事
政策担当秘書の仕事は主に
・議員の委員会質問の資料集め
・様々な法案などの資料を議員の意向に沿って整理する
・議員立法のための連絡、調整、調査
・・・などです。
その他雑用をさせられているとされ、
実際の仕事と本来の仕事には大幅なズレがあるとされています。
・・・ 担当する議員にもよりますが。
○政策担当秘書になるには
政策担当秘書になるには大きく2つの道があり、
①資格試験に合格する。
②選考採用審査認定される。(大多数はこっち)
まず①の資格試験に合格するから見ていましょう。
政策担当秘書になるための試験を政策担当秘書資格試験と言われ、
これは国家資格で合格者は20人に1人程度の難関で
一部には司法試験と同じかそれ以上のレベルともいわれるくらいです。
※1年間の政策担当秘書資格試験の年間予定
2次試験の口述式とは一問一答で答えなければいけない試験です。(面接ではない)
司法試験の口述試験と同じような形式で出されるそうです。
※口述試験は基本的に学力、理解力を見る試験で
付随的に人格、人間性を見る試験です。
また、たとえ試験に全て合格しても
9月中旬に国会議員との面接があり
ここで採用されなければ仕事が発生しません。
ここを通過してなる方もいますが実は別ルートがあってそれが
②の選考採用審査認定されることで大多数はこちらを通して
なる方が多いようです。
その、 ②選考採用審査認定される、を見てみましょう。
選考採用審査認定されるには
・公設秘書を10年以上やってる、
あるいは公設秘書の5年+政党職員5年(要は経験を積む)
・司法試験や公認会計士などの合格者
・博士号取得者
・・・などです。
このようにして政策担当秘書の資格が取れます。
●私設秘書(人数制限なし)
私設秘書は何人でもつけることができます。
議員個人が給料を払うため給料も決まっていません。
ただ私設秘書の年収は平均300万(あくまでも一部)とされ、
それぞれの議員の事務所による場合が多いですが、
公設秘書(国家公務員)の半分かそれ以下の場合がかなり多いです。
一般的に、当選回数を重ねたベテラン議員は財政基盤も強いため、
多くの私設秘書を雇用する傾向にあり、
中には十数名もの私設秘書を雇用している事務所もあります。
逆に言えば議員が落選すると給料を払えない場合が多く
そうなると他の議員の秘書になるか、就活するか(別の業界へ再就職)、
無職になるかです。
当然社会保障もありません。
・・・かなり厳しい世界なので非常に入れ替わりの激しい業界のようです。
こんなことから、私設秘書の議員選びは人生を大きく左右するとされますが、
実は続ける人が多いのも事実です。
というのも、気に入られて、私設秘書から公設秘書になれれば、
給料が倍かそれ以上になることができ、何よりも、
お仕えした議員が大きく出世すれば一般企業では絶対に味わうことのできない
国を動かすという大きな役割の一部を自分が担うことができるからです。
なので選挙に強い議員だったり当選回数が多いベテラン議員では
当然、求人倍率が高くて競争が激しく
逆に、新人議員は求人倍率が下がり競争は低いが落選するリスクが高く
前述に述べたような無職になる確率が高くなります。
・・・やっぱり厳しい世界なんですね。
最後に秘書をどのように常駐させているのか見てみると、
国会の議員会館事務所には
政策担当秘書+1~2名の公設秘書か私設秘書が常駐し、
選挙区の地元事務所では1~2名の公設秘書+数名の私設秘書が勤務している
場合が多いようです。
・・・では本日はこの辺で。